ここでは、一般的な剣道の基本稽古について記します。
 
■ 素振り
素振りは、竹刀や木刀だけを使って一人で行える稽古です。一撃の質を高めるために数をかけて練習します。ただし、ただ数を多く打つだけではダメです。相手にダメージを与える究極の一打を絶対に外さないよう、1本目と100本目で同じうち形が出来るように心がけます。
■ 切り返し
切り返しは通常、相手と組んで行います。切り返しは剣道の稽古の基本中の基本です。単なる準備運動ではなく、打つ側のみならず、受ける側の技量も求められます。空間だとつとは異なり、実際に刃筋正しく打って、手の内を鍛えます。相手を引き立て、相手と協調する工夫が大切です。
■打ち込み(基本打ち)
相手に協力してもらい、互いに呼吸があって気が充実したときにターンと打っていく練習をします。自分が一番良いところを打ったらこうなるという打突を繰り返します。最高の打ち方で打ったときの感触、竹刀のはじき方、打突後の抜け方、足の使い方などを体感します。
■掛かり稽古
これこそ、気持ちの持ち方で稽古の質が大きく変わる練習です。なんとしても相手を打ち倒すという気迫で勇猛果敢に対峙し、その中で疲労の峠を越えて”抜ける(ハイな)状態”になることがあります。常にこの状態に入れるようにするのが本当の稽古であり、そこから本当の一本(迷いのない、力の抜けた出し切った1本)が生まれます。
■地稽古
基本稽古で打ち方の基本を学んでも、相手と対峙しあったときにその基本打ちがそのままいつでも通じるわけではありません。そこで、自分と対等な立場にいる相手に技を決めるには、攻め合いが必要になってきます。間合いを体得し、攻めが効いたときに技の成功の確率が高まることを覚えます。日本剣道形で学ぶ”機を見て打つ”ということが、自然と出来るように練習します。打ち合いは決まるまで打つのが原則ですが、決まったらきちんと残心を示し、そして、元の位置に戻ってから二本目の打ち合いに入ります。