■ 日本剣道形5本目は、面擦り上げ面です。
打太刀:諸手左上段
仕太刀:中段
 

 
■理合・解釈 天を指すようなすり上げ 謙虚な気持ちの残心

  • 中段の上段に対する定石として仕太刀は、剣先を打ち太刀の眉間から左拳につけながら攻め込み、全体を圧していく。この圧力に圧倒された打ち太刀は、苦し紛れに局面を打開しようとして上段から正面に切り込む。
  • 仕太刀は、すり上げ時に太刀の先端が後ろへ行くことのないようにする必要がある。気持ち、頭上へ天を指すようなすりあげを心がける。
  • 1本目の面打ちと異なり、ここでは打ち終わった後、打太刀は「死太刀」になる。
  • 仕太刀は、1本目の残心では勝ち誇った姿で威圧的な姿を示しましたが、5本目では、死者・敗者を弔う謙虚な気持ちにより、剣先を止めずに眉間を通し中心を取っての静的な残心を示します。「やむを得ず命をいただきました」というような気持ちが形に表れたものです。

 

仕太刀

打太刀

・      仕太刀は中段に構え・      互いに先の気位で進む ・      打太刀は諸手左上段に構え・      互いに先の気位で進む※ 仕太刀は「高い中段」に構える。剣先を打太刀の左こぶしにつける。
・      仕太刀は左足から引くと同時に、打太刀の刀をすりあげて、右足から踏み出し、「トー」のかけ声で打太刀の正面を打つ。※      しっかりとすり上げて打つ。※      すり上げは、両腕の間から打太刀の体が見える程度。 ・      間合いに入り、打太刀は機を見て右足を踏み出すと同時に「ヤー」のかけ声で仕太刀の正面を打つ。※ 仕太刀のあごまで切り下げる心持で打ち下ろす。
・      仕太刀は右足を引きながら左上段となり残心を示す。※ 剣先を打太刀の顔の中心につけてから上段をとる。
打太刀が剣先を上げはじめるので、仕太刀も左足を引いて双方相中段となる。
・      仕太刀は右足から小足3歩進む ・      打太刀は左足から歩み足で小足3歩ひき、
双方、刀を抜き合わせた位置に戻る。

 
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